〔その8〕生後183日~

49日目〈爆弾〉

CRPは0.4だしその他の数値も正常値。
でもエコーで見る冠動脈だけは、まだ6㎜の太さ。
これはこのままずっと続くのかそれともだんだん細くなるのか。
また高い熱が出て心臓がこわれるのか・・・。
爆弾をかかえて生きているのは間違いないよね。
私自身まだ心構えが出来てなくって自分のことではないような気までしちゃっている。
どうしたらいいの?なんともいえないこの気持ち。誰か助けて!

*大切な命が今度は私自身の手にゆだねられることになって、内心怖かったのです。
退院後の生活についていろいろな疑問もありました。
毎日この子はベットで生活して私は看病を続けていかなければならないと思っていたんです。

50日目〈お雛様〉

おじちゃんが《み~》のために超ミニミニお雛様を見つけてきてくれました。
これならバッチリ!病室の消灯台に飾っておけます。
さっそく、《み~》がながめられる位置に置きました。
そうか!この子の初節句なんだ!ママのお雛様を《み~》にあげよう。
3月3日はベッドの上だけど・・・。
なんて考えていたら先生が「水曜日以降ならいつ退院してもいいですよ。」と突然のお許し。
パパは思わず「今週ですか?」と聞いてしまったのでした。
やったー!!と単純に大喜びのパパ。
ちゃんとやって行かれるかしらと不安だらけのママ。
初めて子供を持ったときの気持ちとも違う何とも言えない気持ち。

51日目〈疑問〉

先生にお会いして、ずっと心にのしかかっていた疑問が解決したら、急にお腹が空いてきた。
な~んだ。退院したらお薬は続くけどごく普通に生活していいんだって!
外出も入浴も食事も、スポーツも遊びも。温泉もプールもキャンプも・・・etc。
なんでもかんでも普通にしていいんだって!
何日もずーっと心配していたことがバカみたいだった。
特別な看病が必要な訳じゃないんだ。
2ヶ月遅れの発達だから今4ヶ月の子だと思って扱ってあげようね。
外は寒いし(2月25日)病み上がりだし。
でも、暖かい日にはベビーカーでお散歩に行こうね。
あ~やっとこれからおちついた生活が出来るんだ~!

*川崎病の治療が終わって退院した場合、薬の服用が必要な場合がありますが他には定期的な検査の他はごくごく普通に生活できます。
特別な看病はまったく必要ありません。
ご心配なく。私のように考えすぎるのはよくありませんよ。

52日目〈やること〉

もう《み~》は超元気!
うつぶせですごく長い間顔を上げていられるようになった。
首、座ったね。この分なら帰ってきてすぐに寝返りなんか出来ちゃいそう!
そうだ、お洋服も買わなくちゃ。
お布団干して、哺乳瓶の消毒もして。帰ってくるまでにやることがたくさんあるね。

*急に決まった退院に嬉しい悲鳴をあげてました!


それから3日後・・・

1997年3月2日(日曜日) 〈退院の日〉

長い長い憂鬱な日々がやっと終わりました。
本当に前のように元気になれたのでしょうか。
これで、もう2度と苦しい時間は訪れないのでしょうか・・・。
いつもいつもあなたの笑顔が見られるのでしょうか。
な~んて、そんな不安はいっぱいいっぱいあるけれど、でもやっぱり嬉しい。本当に嬉しい。
あなたが死ななくて良かった!
先生に感謝してもしても足りないくらい感謝。
わたしだけでなくみんなも辛かったけど、《み~》が辛くなくなったのが一番良かった。
みんな本当にありがとう!冠動脈瘤は残ったままで退院します。
自然に消えるのを待つだけです。
1才前の発病は瘤がなくなる可能性が大いにあるそうなので期待します!


*《み~》はその後、1ヶ月に一度>2ヶ月に一度>4ヶ月に一度>半年に一度のエコー検査を経て、入園前に心臓カテーテル検査を受けることになります。

その様子は〔おまけ〕入園前の心臓カテーテル検査をお読みください。