〔その5〕生後162日~
29日目〈やきもち〉
笑顔笑顔のオンパレード。もじもじも復活したし、ジタバタもやっている。
帰るときに薬を鼻につけられた《み~》が大泣きしたのでなかなか帰れなくって困った。
前は私が抱くと泣きやんだのに完全にママを忘れている。
看護婦さんがママになっているんじゃないかしら。すごくショック。
私の《み~》を帰して。一番育てたい時期に取り上げられちゃったって気がして悔しい。
*ばかみたいでしょ。看護婦さんに笑顔を見せるのでやきもち妬いている。
でも、この時はマジでこう思ったのよね。
30日目〈エコー〉
今日はエコーをやって冠動脈の様子や心のうの水のたまり具合を看てくださったはずなんだけど先生とお会いできなかったので結果を聞くことが出来なかった。
脈は160~170台あるので、たぶん炎症はまだ治まってないと思う。
よく笑ってくれるし、手足も動かすし、だいぶいいとは思うけどね。
熱はずっと36度台。もう38度まで上がることはないと思うけど。
31日目〈普通の状態〉
ウ~ゥ、ア~ァとよくしゃべる。
パパのことはわかるみたいでよく笑う。ママはきっと看護婦さんと一緒になっちゃってるんだね。
あ~あショック。お手々を合わせて遊んだり、布団を見つめてさわってみてそれを握ったりと、いろいろなことをしている。
やっといま川崎病の普通の状態になることができたそうです。
この先自然に治ってくるのでしょうか。
まだまだ先の見通しは全然立ちません。
32日目〈原因〉
久々に本当に久々に、そう1ヶ月ぶりに《み~》ちゃんが私の腕の中で眠った。
《み~》ちゃんは入院するまでの4ヶ月の間、ほとんど眠り姫のようだった。
やっぱりそれってどこか具合が悪かったのかもね。
今日お姉ちゃんたちの昔のアルバムを見たら2~3ヶ月でもあんなにねっぱなしなんてことなかった。
上のお姉ちゃんはよ~く寝る子でとてもおとなしい子だったけど、それでもだんだんねんねの時間が短くなり、2ヶ月で手遊び、3ヶ月で笑い声とうつぶせで顔上げ、5ヶ月でお座りしてるもの。
川崎病は突然なる病気というけど、やっぱり生まれつき持っていたのかも。
気が付いてあげられなかった。もっと早くに。
再び帰ってくることが出来たらいっぱいいっぱい、いろんな事一緒にやろうね!
原因不明の病気でも、何かしら絶対起因するものがあるはずなんだよね。
おばあちゃんは裏の家でゴミを燃やして出たダイオキシンが原因だとか言っている…。
*川崎病の原因についてはいろいろな説があるし、発表されたりもしてるけれど私にはどれもしっくりこないものばかりです。(まったく素人ですけど!)
病気を抱えているものにとっては治療法がわからないほど辛いことはありません。
33日目〈CRP〉
今日、ついに点滴がはずされました。
やった~!ちょっとすっきりしたよね。でもまだ2つの機械(心拍計と血中酸素量計)がついているので抱っこはしにくいです。
よく笑うしよく動くし本当に人が見たらこの子病気なの?と思うくらいまで回復しました。
でもまだ体の中はボロボロ。
CRP(炎症の度合い)がまた上がって全然良くなってはいないのですよ。
本当にもう帰れそうなのにやっぱり帰れないのね。
*血管や臓器の炎症が当初からずっと長い間続きました。
34日目〈アンギナール〉
東大病院から来てくださった心臓専門の先生の診断の結果、もう一度グロブリンを投与することになりました。
《み~》ちゃんはおそらく体質的にグロブリンがきかない子なんだろうということでしたが、もう5ヶ月になって母親からの免疫もなくなっているかも知れないし、血液検査の結果が普通の川崎病の状態なので、きっときいてくれるはず、という見方でした。
冠動脈瘤は発病が1才前の場合だと後に残らずに済むことが多いらしいのです。
《み~》はお薬を飲まされるのが嫌で(心臓の薬`アンギナール´ってとてもにがいらしい)暴れるし、吐き出しちゃうらしい。看護婦さんが頭のいい子ねって言ってた。薬を持って近づくだけで怒るんだって!
*アスピリンの他にアンギナールという心臓の薬を飲んでいました。
退院後はパナルジンという薬に変わりました。
35日目〈写真〉
家にいた頃よりも今の方がずっとはっきりしているような気がする。
表情も動作も知恵もついてきたので、私が行くたびに座らせたりしてれば腰も首もすわってくるかも。
いろんなこと教えたらきっとどんどん覚えるかも。
いままでできなかった分、人一倍知りたがりだよきっと。
看護婦さんからお許しが出たので写真を撮った。
まだ、入院は長くなるみたい。
全身症状のひどい時や酸素テントの中にいた時はさすがに写真なんて撮る気にならなかったけど今ならいっぱい撮りたいよね。
*5~6ヶ月の写真が全然ありません!