〔その3〕生後148日~
15日目〈久しぶりのママ〉
今日はついに熱が下がりました!
私が計ったときは36.7度。
本当なの!?と目を疑ってしまった。これで本人が少しでも楽になってくれたらいいな~。
でも、一時的なものでまた上がるかもしれない。
なんせ、むくみがひどくて全身ぶよぶよでかわいそうなくらい。
発疹も、まだあちこちに出来ているので一進一退という感じです。
でもねぇ。今日は結構起きていて機嫌も良く動いていたので久々に楽しかったよ。
《みー》の世話をしたって気がした。
あなたのママよって何度もささやいてしまった。だっていままでねんねしてばかりだったんだもの。
今日は話しかけたら答えてくれそうだった。
オムツを替えてウンチも替えて。
テントの中に私も上半身を入れてミルクも飲ませたし。
60CCくらいしか飲まなかったけど。どうかどうかこのままずっと熱が下がってくれますように!!
ミルクを飲んだら満足して、ねんねしてしまった《み~》。ゆっくりおやすみね。
*本当に久しぶりに《み~》のママに戻った気がしました。
熱が下がったのはちょっと信じられなくて、まだまだ気持ちの中で安心は出来ませんでした。
でも、機嫌がとても良かったので私もとても幸せでした。
実家から父母がお見舞いに来てくれました。
み~の機嫌がいいときに来てくれて良かった。
外見だけでも相当心配しちゃうだろうから。
帰りがけに、母に「ごめんね。心配かけちゃって」って言ったら「まったくね!我が子の心配がなくなったと思ったら。ほんとよっ・・!」と、後は声にならず。
普段は凛として気丈な母なだけにジンと来て私も泣いてしまいました。
16日目〈全身症状〉
どうやら今日もずっと熱が下がっていたみたいです。
とりあえずホッとしました。
でも先生のお話ではエコーを見たけれど心臓は弱ってないし、瘤(こぶ)もないけど全身症状(むくみ、腫れ、発疹、炎症など)を和らげるためにステロイド剤を2~3日使ってみるらしい。
こんど他の臓器に障害が出たり脳の方に出血すると危険なので・・ということです。
血液検査で血小板がすごく少なくて貧血がとても進んでいるらしい。
本当に普通の赤ちゃんなら絶対起きないようなこと・・・いいえ、大人でも体験しないようなことを《み~》は経験してるんだ。
できることなら代わってあげたい。
今日は昼間ミルクを飲む意欲がなくてろくに飲まなかったらしいのに、私が抱っこして手を握ってあげて飲ませたら一気に100CC飲んだ。
そしてウンチをして寝てしまった。
もしかしてママとわかって飲んでくれたのかも!嬉しい。(ただお腹が空いてただけか!)
*熱が下がったということで、すごく回復したような気がしていたのに検査結果は良くなってはいなかったのです。
あまり長い間全身症状があると、内臓にも影響が出るらしいのです。
<<脳の方に出血>>なんて事になったらそれこそ大変なことだと背筋が寒くなりました。
17日目〈もじもじペロペロ〉
今日はずーっと起きていたので楽しかった。
1日中熱が低めで脈もだいぶ遅くなり140~160くらいだった。
手を左右に動かしたり首をもじもじしたりしてずーっとうなったり人の顔を見ては文句を言ったりしていた。
5時頃から指もしゃぶり出して(点滴入れてる方をペロペロしてたから気が気じゃなかった。かゆいのかな~)お腹が空いたよ~のポーズが見えた。
そして飲ませたら一気に100CCを飲んでしまった。
よかった!このぐらい動いててくれると、結構嬉しくて病院に行く甲斐もあるというものよ。
ぐったり寝てばかりいられるとホントに辛くなっちゃう。
明日も熱、下がっていますように!
*脈拍が入院以来はじめて落ち着いてきました。
最初190~210くらいあって(よく考えてみて!1分間に打つ脈の数ですよ。はやすぎるよねっ!)ずっと監視装置をつけているんです。
手の指の先にセンサーがついていて機械とつながっているんですけど、こんなので正確に計れるのかしらと、疑問でした。
でも、数値が下がったときはこの機械を信用してしまいました。
18日目〈むくみ〉
今朝6時に体温がまた38.0度に上がってしまった。
それまでずっと下がっていたのに。どーやら薬のおかげだったらしい。
顔がアドバルーンのようにまん丸になるほどむくみがきていて目を覆いたくなるようだった。
発疹は消えてきたような気がするけど。
もしかしてまた、逆戻りなのかしら。
ミルクの飲み方はとてもよく飲むようになったみたいで一安心したのに、あんまりずっとむくみがひどいと心配。本当に問題はたくさんある。
帰り道、涙で車の前が見えなくて困った。
いつも元気な姿をイメージし続けているんだけどそれも結構つらいのよね。
実際の《み~》を見るとがっくりきちゃうもの。
*ここ何日か幸せに思える日々が続いたのでパンパンになった《み~》を見たときはかなりショックでした。
やはり、本当に良くなったわけじゃなかったんだな~って考えたら急にぶわっと涙が出てきて止まらなかったんです。
どんな時も、元気な姿をイメージしようと努めていましたがちょうどこれから首が座って、お座りをして、はいはいをして・・etcという時期に入院してしまったので、具体的な成長した姿をイメージするのはなかなか苦労しました。
19日目〈死を覚悟する?〉
表面からは症状が良くなっているように見えてきたけど、実はいろんな検査の結果は悪い数字ばかりで、いつ、何が起きてもおかしくない(他の病気を併発しても>>つまり死に至っても?????)不思議ではないらしい。
とにかく、いま起きている結果によって対処する治療しか方法がないそうです。
これは本当に仕方がないこと。
すべての結果がよい方向に向かっていってくれるのを信じて待つしかないのね。
《み~》ちゃん。こんなに小さいのに一人で、たった一人で闘っているんだね。
絶対元気になってよね!
*またしても、ショックでした。
「このままでは血管にバイ菌が入ってしまう敗血症にもなりかねないんです」と言われました。
「そうなったら命取りになるんです。大変危険です。」そんな先生の言葉が頭の中をぐるぐる回って、帰ってからパパになんて言おうなんて一瞬考えました。
パパやお姉ちゃんたちやおばあちゃんたちやおじいちゃんたちの顔が順番に流れてきて私はふわふわと宙に浮いていて、画面が全部真っ白になって。・・・《み~》のベットの横に座って彼女を見つめたまま何も考えられずに・・・ただ涙だけがポロポロポロポロと流れてきました。
20日目〈輸血〉
《み~》はついに輸血されてしまいました。
その方が体力がつくし、相変わらず血小板が減っていて貧血が進んで心臓に負担がかかるし。
そんなわけでまたまた私が体験したことのない事をしたのです。
でも、輸血ってHIVとかC型肝炎とかは検査してあれば絶対に心配ないのでしょうか・・・。
絶対に?
熱がずっと下がったことで(24時間37度台キープ)本人の元気は出てきて、自分のおててを眺めて口に持っていく余裕が出てきた。
でもそのおかげで血液が漏れてお顔が血だらけになってしまった!
少しずつ少しずつどんなに時間がかかってもいいからちゃんと元通りに治って欲しいです。
*本当にあらゆる手を尽くして一つ一つ状態を良くしていくしかなかったんです。
川崎病って本当に大変な病気です。
先生は「症状改善のために必ず手を尽くしますので、あとは、本人の体力と生きる力を祈るしかないんです。」とおっしゃいました。
ドラマの1シーンみたい。
21日目〈5ヶ月の誕生日〉
それまでおとなしくしていたのに今日は私の顔を見て、急にぐずぐず甘えだした。
ママがわかったのかな~。
今日で満5ヶ月の誕生日。病院のベットの上で迎えるとはまさか誰も思わなかったよね。
まだ首はフラフラです。ねんねしているから首だってしっかりしようがないけど。
この分ではすべてにおいて発達が遅れちゃうよね。
でもでもそれでも無事に帰ってくる方がいい。
半年遅く生まれたと思えば半年入院しててもいいわけだし。
なんでもないじゃない。とにかくきちんと病気が治って欲しい。
お家でみんなとバースデーケーキ食べられるのは、いったいいつのお誕生日でしょう・・・。
*さびしい気持ちでした。
本当なら今頃はもう、お座りしてる頃なのにね。
と一瞬考えたけどすぐに気持ちをきりかえました。
もう少し、きっとあともう少しだからねって。